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国連の福利厚生:賃料補助制度に関して(ヨーロッパ・北米以外)

賃料補助金および控除制度は、賃料が大幅に変動する職場での国連職員の宿泊費の公平性を提供するように設計されています。 標準的な平均賃料コストを上回るスタッフの苦難を緩和するためです。

 

賃料補助制度の二つのタイプ

賃料補助制度には二つのタイプがあります。

  • ヨーロッパ・北米
  • ヨーロッパ・北米以外

です。今回はヨーロッパ・北米以外の賃料補助制度について説明していきます。

 

対象者

  • ヨーロッパ・北米以外の職場で働くスタッフ
  • ポストアジャストメントが適用されるスタッフ、もしくは月々のミッション手当に該当するスタッフ
  • 技術協力プロジェクトの担当者、フィールドスタッフ(FSスタッフ)、プロフェッショナルスタッフ(専門職、Pスタッフ)およびそれ以上のポスト(Dスタッフ)

適用しないケース

  • 国連のミッションを遂行していて、その拠点における報酬を享受している場合
  • スタッフがポストアジャストメントの代わりにDSA(毎日の生計手当)をもらっている期間(通常勤務地についてから最初の30日間)。
  • また、その手当が延長されている期間。

 

賃料補助の標準的な基準

  • そのスタッフの手当の閾値を超える賃料の80%
  • 最大賃料の40%
  • 通常、現地通貨での支払い

計算の例を出した方がわかりやすいと思いますので、実際に国連が提供している例を元に書きに記してみます。

1. 月々の基本給3000
2. ポストアジャストメント1000
3. 割り当て引当金
4. 月々のミッション手当
5. スペシャルポストアジャストメント
6. 総収入(1+2+3+4+5)4000
7. 閾値の割合25%
8. 閾値の金額(6 x 7)1000
9. 賃料2500
10. 閾値を超えた金額(8 – 9)1500
11. 賃料補助80%
12. 賃料補助金額(仮)1200
13. 40%制限の金額1000
14. 最終賃料補助手当の金額(12か13の小さい値)1000

 

このように賃料補助手当の金額が決まります。ちなみにこのポストアジャストメントやその地域における閾値は、ICSCが毎月更新しています。

国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編」でも紹介していますが、例えば東京でP-1ポストの場合は下記のような補助金額となります。

例えば、東京で扶養なしで、P-1ステップ1、一年目の勤務の場合。

年収748万円/12ヶ月 * 28% = 約17.45万円
17.45万円までは家賃補助なしで、それ以上の場合は、その人の勤続年数に応じて補助されます。
19万円の家を借りた場合、差額の1.55万円*80%、12400円の補助です。

お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、40%の上限に引っかからない限りはなるべく高い賃料のところに住んだ方が結果的にお得ということになります。

賃料補助の減額

  • 機関、政府、また関連する組織から賃料補助を受けている場合
  • スタッフはP.84のフォームで賃貸補助を受けているかどうかを毎年提出しなければならない
  • 新たに雇われたスタッフ、また別の職場に転勤した人もその職場に到着したらP.84フォームを提出しなければならない。そうでなければ、自動的に減額の対象になる。
  • 平均基準を下回る住宅の場合、賃貸控除は賃貸控除の半分になる。

 

ヨーロッパ・北米タイプとの違い

大きな違いは「ヨーロッパ・北米以外」タイプは常に閾値の80%の割合が変わらないことです。「ヨーロッパ・北米」タイプは年とともにその補助額が少なくなっていきます。また、補助金の受給期間の制限もあります(最大七年)。

 

その他、さらに詳しく知りたい方は

その他さらに詳しくこの制度を知りたい方は、本家のページ「Rental Subsidy & Deduction」をみてみましょう。

 

国連職員の給料額が知りたい方は

国連の給料も別の記事で紹介しています。

 

スタッフのカテゴリー毎の記事

インターナショナルスタッフである専門職に関する給料は「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職」の記事を、一般職に関する給料は「国連職員の給料 一般職編」を、フィールド職に関する給料は「国連職員の給料 フィールドスタッフ編」をご覧ください。

関連記事 >> 「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職
関連記事 >> 「国連職員の給料 一般職編
関連記事 >> 「国連職員の給料 フィールドスタッフ編

 

JPOに関して

また、JPOの給料が気になる方もよくこの記事をご覧になります。その方は「JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する額が支払われます|P-2とは」の記事も併せてご覧ください。

関連記事 >> 「JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する額が支払われます|P-2とは

 

給料計算方法

他にも「国連職員の給料(年収や福利厚生)を計算する時はICSCのCalculatorを使おう」と自分のステータスに応じて計算するツールが用意されていますので、合わせてご覧ください。下記のような感じで計算することができます。

ICSC Calculator結果

関連記事 >>「国連職員の給料(年収や福利厚生)を計算する時はICSCのCalculatorを使おう

 

国連に興味を持っている方は

また、国連で将来的に働きたいと考えている方は「国連職員になるには」の記事をご覧ください。特に国連職員になりたいけど、何を知るべきかわからないという方に向けて書いています。

関連記事 >> 「国連職員になるには

 

以上「国連の福利厚生:賃料補助制度に関して(ヨーロッパ・北米以外)」でした。

亀山 翔大
亀山 翔大
東京都出身。MBA。Project, Program, Portfolio Managementを専門。PMOとして働きつつ、イギリス大学院でサイバーセキュリティを学ぶ。前職である国連にて国連世界ICT戦略遂行、国連グローバルPMO推進。UN KUDOS! Award 2019優勝。プロジェクト(プログラム)マネジメント(PRINCE2/MSP)、サイバーセキュリティ(NIST CSF)等の資格を有する。 プロフィール詳細はこちら

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