JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する額が支払われます | P-2とは

目次

0. JPOとは

1. JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する額が支払われます

2. P-2とはインターナショナルスタッフとしてスタートするレベル

3. 給料は勤務地によって異なります

4. 東京が任務地だった場合、給料は年収918万円

5. 上記の給料に様々な福利厚生がつきます

6. JPOとして赴任予定で、細かい給料計算がしたい方はICSCのCalculatorを使いましょう

7. 国連に興味がある方は

JPOとは

JPO とは国連職員になる上での登竜門的な派遣制度」の記事にて、JPO制度の概要について書きました。この記事の表題のとおり、JPOとは国連職員になる上で登竜門的な派遣制度です。日本政府から国際機関に職員として派遣され、正規職員になるべく大きな一歩を踏み出すことができます。

将来設計をするときに、将来もらえるであろう給料を知っておくとよいと思います。では、JPOの場合はどれぐらいの給料をもらうことができるのでしょうか。

この記事はそんな疑問に答えます。

関連記事 >> 「JPO とは国連職員になる上での登竜門的な派遣制度

 

JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する金額が支払われます

この記事のタイトルでも述べていますが、JPOの給料は指定がなければ国連インターナショナルスタッフP-2レベルに支払われる金額です。外務省ではさらに上のレベルであるP-3の派遣も拡大していますので、ご自分の経歴に合う場合は上のレベルにも挑戦しましょう。

では、ここで述べられているP-2レベルでは具体的にどれぐらい給料がもらえるのでしょうか。

ニューヨーク勤務の場合は853万円、東京勤務の場合は約918万円(110円/米ドル・Net計算、2018年8月現在)です。

この給料額はお子さんがいる場合や、地域によりかわりますのでご注意ください。計算方法はこの記事の後半でご説明します。

 

P-2とはインターナショナルスタッフとしてスタートするレベル

PとはProfessionalの略です。国連では「P or above」もしくは「Professional or above」という言い方をしますが、このレベルを一般的に「インターナショナルスタッフ」と呼びます。

なぜ「P or above」と呼ぶかといいますと、国連には「D(Director)」、「ASD(Assistant Secretary General」、「USD(Under Secretary General」といった上級ポストがあるからです。

Pポストはレベルが1から5まであり、数字が大きくなるほどその役職レベルが上がります。P-5がPポストでは一番高いレベルです。Pポストよりも高いポストが、Dポスト(ダイレクター)です。Dは1と2がありますが、このレベルになると人数が一気にしぼられます。Dポストに続いてASG、USGといったさらに上級のポストが存在します。

JPOはなぜP-1ではなく、P-2レベルではじまるのでしょうか。

国連ではP-1レベルはは一部の例外をのぞき、現在はほとんど使われていません。その理由はもっと調べてみないとわからないのですが、P-1ポストではたらく人は圧倒的に人数が少なく2016年12月31日時点で17名しか雇用されていません。(参照:「国連では何人職員が働いている? 数字から全体を把握する」)

カテゴリー/職位終身雇用、および継続雇用任期期限つき雇用仮雇用トータル
プロフェッショナルから上のポジション
USG611273
ASG1711284
D-267836156
D-130121324538
P-5996670751741
P-4177217802373789
P-3125325005644317
P-24136912241328
P-18917

国連では何人職員が働いている? 数字から全体を把握する」より

実質的にインターナショナルポストはP-2からとなり、JPOでもP-2レベルからスタートということになります。

 

国連の給料は「基本給+地域調整額」で計算します

国連の給料は「基本給 + 地域調整額」で計算されます。

その国や地域の経済的な情勢をはじめとしたさまざまな要素を考慮にいれてICSCがその指標をさだめ、その指標をもとに地域調整額を算出します。

その国や地域の情勢によって指標がかわるため、給料の高い地域もあれば給料の低い地域もあります。基本的には、どこの地域にいても同じレベルの暮らしができるように工夫がされていますが、必ずしも同じ質の暮らしができるわけではありません。

詳しい給料計算方法が知りたい場合は、「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編」の記事も併せてご覧ください。

関連記事 >> 「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編

 

東京が任務地だった場合、給料は年収918万円*

*(Net計算、110円/米ドル計算)2018年8月現在

はじめに国連の東京とニューヨークの給料を書きましたが、勤務地によって大きくかわることを説明しました。ここではもう一度東京の給料を例にとり、説明いたします。ここでは福利厚生はのぞきます。

東京が勤務地の場合、基本給と地域調整額のみで給料を計算すると、P-2レベルで年収918万円になります。

P-2の基本給は46,472米ドルで(Net)、地域調整率は東京の場合79.6%です(2018年8月現在)。

[基本給]$46,472 + [地域調整額]($46472 x 79.6% )= $83,464 = 約918万円(110円換算)

ニューヨークの場合は、この地域調整率が66.9%なので、計算すると約853万円となります。

私たち日本人にとっては、結構いい給料額をもらっているように見えますね。ただ、これが外国に住み始めるといろんな事情が変わってきます。たとえば、はじめてニューヨークに住む場合に苦労することの一つが「家をみつけること」だと聞きます。外国人なので、信用がなく、住む地域が限定され、しかも割高な物件しか選べないようです。

お子さんを連れて行くと、幼稚園などさらに多くの費用が発生するので、出費がかなりたいへんだという話も聞いています。

 

上記の給料に様々な福利厚生がつきます

この給料にプラスして、様々な福利厚生がつきます。学費補助、家賃補助、困難手当など様々なものがつきます。「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編」の記事にも福利厚生の情報を載せていますので、こちらも併せてお読みください。

関連記事 >> 「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編

 

JPOとして赴任予定で、細かい給料計算がしたい方はICSCのCalculatorを使いましょう

このサイトで計算すると、項目ごとにどれだけ給料や補助ができるのか一目でわかる。

ICSCの国連給料計算システム」を使ってみましょう。どこの勤務地か、お子さんがいるかどうか等の条件を入力すると項目ごとにわかりやすく給料計算をしてくれます。これはとても便利です。

「ステップ」という項目がありますが、はじめて赴任される場合は、ステップは1としてください。特にJPOのポストレベルP-3等の指定がなければ「P-2のステップ1」として計算します。

関連記事 >> 「国連職員の給料(年収や福利厚生)を計算をするときはICSCのCalculatorを使おう

 

国連に興味を持っている方は

国連で将来的に働きたいと考えている方は「国連職員になるには」の記事をご覧ください。とくに国連職員になりたいけど、何を知るべきかわからないという方に向けて書いています。またJPOに興味のある方は、「JPO とは国連職員になる上での登竜門的な派遣制度」や「国連職員になる方法 前編」も併せてご覧ください。

関連記事 >> 「国連職員になるには
関連記事 >> 「JPO とは国連職員になる上での登竜門的な派遣制度

以上「JPOの給料(年収)は国連のP-2に相当する額が支払われます | P-2とは」でした。

亀山 翔大
亀山 翔大
東京都出身。MBA。Project, Program, Portfolio Managementを専門。PMOとして働きつつ、イギリス大学院でサイバーセキュリティを学ぶ。前職である国連にて国連世界ICT戦略遂行、国連グローバルPMO推進。UN KUDOS! Award 2019優勝。プロジェクト(プログラム)マネジメント(PRINCE2/MSP)、サイバーセキュリティ(NIST CSF)等の資格を有する。 プロフィール詳細はこちら

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