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「国連職員」の仕事

3分で分かる国連職員

1. 国際連合とは

国際連合(United Nations)は第二次世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟の反省を踏まえ、19451024日に発足いたしました。国際連合(国連)の目的は主に三つです。
国際平和・安全の維持
諸国間の友好関係の発展
経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力
これらを達成するため、6つの主要機関、数多くの付属・補助機関で任務を遂行している。また、多くの専門機関・関連機関とも連携しており、全体として巨大かつ複雑な国連システムを形成している。

2. 国連職員とは

国連職員とは、上記の国連システムの中でスタッフとして契約して働く人のことを指します。「国際公務員」という身分になり、出身国等の特定の国家利益のためではなく、所属する国連機関および国際社会の公益のために働きます。国連特権免除条約で規定された特権・免除を享受します。
国連の3つの目的を達成するための仕事に従事し、環境、開発、人権、経営管理、調達、法律、金融、貿易、安全、情報システム、軍縮と多種多様な職種が存在し、勤務先も先進国から後進発展途上国と世界中での活躍が期待されます。

3. 国連職員になるには

国連職員は(事務総長、副事務総長等の特別なポジションを除くと)大きく分けて5つの階級に分かれています。管理職、専門職、一般職、フィールドスタッフ、国家職で、階級により求められる学歴・職歴が異なります。一般職は高卒から、他の職業は大卒若くは大学院卒からとなります。ただし、実際には(大学院卒の受験者が多数いるため)合格者の殆どは大学院卒であるようです。一部の制度を除き、ほぼ全ての職種で応募する職種に関連する職務経験が求められます。語学力は堪能であることが求められるものの、実際に語学力が試される試験は存在しない(国連内部の語学試験があり、勤務地により給料の加算がある)。英語およびフランス語が労働共通言語であるが、勤務先によって求められる言語が異なり、英語だけが求められる勤務地が数多く存在する(ほとんどの勤務先は英語が必須で、他の国連言語が堪能だと書類で加点される。フランス語が主流の勤務先では英語とフランス語で面接されることがある)。また、資格があると加点されることも多く、PRINCE2始め対策しておくと有利に働く。面接試験はコンピテンシー・ベースド・インタビューという形式をとり、面接の質問はほぼ決まっており予め対策することが可能である。

4. 給料・年収

国連職員の給料や待遇は、すべて明確なルールのもと定められている。応募する階級やランクによって、予め給料を計算することができる。一般職・国家職を除くと、基本給に加え地域調整額で大枠の給料が決まり、加えて様々な手当てがつく。手当ての中には、国連年金、扶養手当、住宅補助、学費補助、有給休暇、帰国休暇、家族訪問休暇等あり、ライフワークバランスがコントロールできるよう設計されている。一年間で約30日の有給休暇があるが、スタッフによっては帰国休暇と共に一度に一年分の有給休暇を使い、長期間リラックスする者もいる。

5. 将来性

前潘基文事務総長時代に大きな人事政策の改革があり、長期間の雇用が難しくなった。また、各国連機関に対する国連拠出金負担金の金額に応じて雇用状況が異なるため、決して安定的な職業とは言えない。2017年始め、ドナルド・トランプがUNFPAに拠出金の負担を行わないと発表したことからも現れるように、政治情勢にも左右される。一方、国連拠出金の割には日本人の職員が少ないこともあり、基本的に常に門戸は開かれている。また、日本の安倍首相が今後日本人の国連職員を積極的に増やしていく姿勢を見せていることから、国の後押しが期待できる。

亀山 翔大
亀山 翔大
東京都出身。MBA。Project, Program, Portfolio Managementを専門。PMOとして働きつつ、イギリス大学院でサイバーセキュリティを学ぶ。前職である国連にて国連世界ICT戦略遂行、国連グローバルPMO推進。UN KUDOS! Award 2019優勝。プロジェクト(プログラム)マネジメント(PRINCE2/MSP)、サイバーセキュリティ(NIST CSF)等の資格を有する。 プロフィール詳細はこちら

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