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国際連合で働くことを考えている方へ

日本人は他の国の人々に比べると比較的国連職員になりやすいのではないか

国連で働く、仕事をするにのはとても困難であると一般的に思われていると思います。国連は確かに狭き門です。仕事は外国語(主に英語)で行わなければなりませんし、競争力が激しいというイメージもあってとっつきにくい人が多くいることでしょう。

私は、国連で働き始めてから、何回も「日本人こそ国連のような国際機関で働いてほしい」と思ってきました。というのも、日本人であることが大きな強みになるし、他の国の人々に比べて多くのチャンスが提供されているからです。

制度上、日本は優遇されている

制度1:ヤング・プロフェッショナル・プログラム(通称:YPPワイピーピー

例えば、学部卒で働いた経験がなくても応募できるヤング・プロフェッショナル・プログラム(通称:YPPワイピーピーでは、そもそも応募できる国籍の制限があります。日本はUnderrepresented Countryなので日本は常に応募できる国の一つに含まれています。

国連職員になる方法 後編」に具体的にYPP試験について書いていますので、こちらも合わせてご覧ください。

2018年度YPP試験に応募できる国一覧

Afghanistan, Andorra, Angola, Antigua and Barbuda, Bahrain, Belarus, Belize, Brazil, Brunei Darussalam, Cambodia, Cape Verde, Central African Republic, China, Comoros, Cuba, Cyprus, Democratic People’s Republic of Korea, Dominica, Equatorial Guinea, Gabon, Grenada, Guinea-Bissau, Indonesia, Iran, Iraq, Japan, Kiribati, Kuwait, Laos, Lesotho, Liberia, Libya, Liechtenstein, Luxembourg, Marshall Islands, Micronesia, Monaco, Mozambique, Nauru, Norway, Oman, Palau, Papua New Guinea, Poland, Qatar, Russia, Saint Lucia, Samoa, Sao Tome and Principe, Saudi Arabia, Seychelles, Solomon Islands, South Sudan, St Vincent and the Grenadines, Suriname, Syria, Thailand, Timor-Leste, Turkmenistan, Tuvalu, United Arab Emirates, United States, Vanuatu, Venezuela, Vietnam

関連記事 >> 「国連職員になる方法 後編

制度2:ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPOジェイピーオー

日本人の国連職員を多く輩出しているJPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)のプログラムがあります。800人いる日本人国連職員のうち4割がこのJPO出身だそうです。このJPOの参加国を見てみると下記のように更に絞られる形になります(2018年4月現在)。

JPOの競争相手は日本人

このJPOの競争相手は同じ日本人です。外務省人事センターが毎年JPOの募集をかけ、選考に通った人が国連各機関と面接に進み、採用が決定します。JPOは日本政府が候補者の給料等の支援をします。国連側は金銭的な負担をする必要は有りませんから、タダで新たな労働力を獲得できます。日本政府も日本人を送り出して国連職員として(P-2ポストが通例ですが、最近ではP-3ポストとうのより上のポジションでも送り出しています)働く経験がえられ、国連の職員数増加に向け可能性を高めることができます。言わばWin-Winの制度だと言えるのではないでしょうか。

国連職員になる方法 前編」もご参考にしていただければと思います。

国連職員になる上で、国連システムの内部に入ることは極めて重要です。まず、入ってくる情報量が違いますし、ネットワークを作ることで採用にいい影響を及ぼすこともよく聞きますし、国連で働いた経験により書類選考の際に加点されることがあります。

もっとJPOに関して知りたい方は「JPOとは国連職員になる上での登竜門的な派遣制度」をご覧ください。

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これらの制度は国連で働く上で有利に働く

この二つを例にとるだけでもお分かりのように、これは大きなアドバンテージだと思います。また河野外務大臣も国連職員数を1000人に増やすよう働きかけていることもあり、日本政府の大きな後ろ盾が有ります。他の国の国連スタッフになりたいと思っている人々より制度の観点から有利ですから、これらの制度を活かすことが国連職員になる上でとても重要です。

国連で働く上では狭き門であることには変わりませんが、世間一般的に思われていることよりも、実際にはもっと日本人にチャンスがあるのではないかと思っていただけたのではないでしょうか。

国連で働くには国連で働く必要あり!?

矛盾する題ですが、国連で働く上での極めて重要な要素だと思います。その理由は国連自体がユニークな形で運営されているからです。例えば、あるポストの採用募集があったときに、傾向として、国連内部で働いたことがある人を優先的に採用しようと考えている人が一定数います。(最近話題のグローバルサービスデリバリーモデルの導入により相当数の失業者が出ることが予想されるため、国連事務局では外部の人はしばらく一般職のポストには採用されないようになりました。)

また、採用募集をかけたにもかかわらず、そのポストの応募をかけたときにはすでに採用者が内部的にほぼほぼ決まっていることも稀にあります。これは国連職員の中では暗黙の了解になっており、その場合はポスト公開期間が極めて短いことが殆どです。当然、外部の人も採用の対象になりますが、内部の人に比べるとハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。

なので、JPO制度やインターン制度を使って中で経験を積むということはとても重要なのだと思います。内部の人で採用に対して多くのナレッジが溜まっていますので、内部の人同士PHP(国連の応募書類)を添削をしあってとにかく採用される可能性をタカ用と必死です。少しでも多くのナレッジを得るためにも、内部に一度入ることは極めて重要です。

内部でのネットワークが大事

上記のように既に内部的に決まっているということは、ある程度のネットワーキングが必要ということになります。外部の人にとっては残酷な話かもしれませんが、私が会う人会う人皆口を揃えて「ネットワーキング」の大切さを説きます。あるポストを募集した時に、内部から大量の候補者が応募します。そうすると、内部的に事前に調査ができるわけです。調査と言っても「あの人の働き具合はどうか」と間接的にスタッフに聞いて回るという方法ですね。僕も同じ組織の別ポストに応募した時に、僕のことを聞いてきたと別のスタッフに言われたことがあります。

なので、内部的にいい噂が流れるように仕事のパフォーマンスを高い水準に保つことが重要ですね。

国連で経験を積む方法がいくつか用意されています

国連の内部に入るために、いきなり国連職員というのはハードルが高いかもしれませんが、職員でなければその機会がいくつも用意されています。インターン、コンサルタント、国連ボランティア等です。大学生や大学院生の方はインターンを、少し社会人経験を積んだ方はコンサルタントや国連ボランティアとして働くとその後の話の進め方がスムーズになる可能性が高くなると思います。

国連インターンの応募条件」にどのような人が応募できるのか記していますので、こちらも合わせてご覧ください。

国連はユニークな制度が多い

ユニークな形で運営されていると書きましたが、それは世界各国の違うバックグラウンドの人が平等に働くためにどうあるべきかというのを国連として模索しているからだと考えています。そして、不正を防ぐために、兄弟や両親が国連に働いていた場合は自分は働けない、インターンやコンサルタントと働いている人は契約終了後半年間国連職員のポストに応募できない、一般職員から国際専門職員になるにはハードルが高い等様々なルールがあります(最近はそれを緩和するような動きにありますが、まだ制度上一般職になるとインターナショナルスタッフになるのは大変です。)。

国連では情報収集が何よりも大事

そのユニークさを知るためには何よりも情報収集が大切です。情報収集をすることにより、自分のキャリア設計をする上で役立ちます。情報は国連内部で働き始めると一気に情報量が増えます。それは、一度内部に入ると、情報の取得の仕方を身に付けることができるからです。ただ、内部に入らなくても情報を収集する手段がいくつもあります。それをこのブログでお伝えできればと思っています。

国連職員になる上でどのような準備ができるか

このブログにいらっしゃる方は、国連職員になりたい、国連で働きたい、国連に就職したいと考えている方がよくいらっしゃいます。是非とも「国連職員になるには」の記事も読んでいたでいただければと思います。具体的にどのような準備をする必要があるか。学歴、職歴、学生のうちにしておくこと、選考に関してなど10000字近くの長文でまとめています。

国連職員の選考で出身大学の有利不利はありますか」の記事に、主に出身大学、学部など学歴について書いています。学生の方はこちらの記事をお読みください。

関連記事 >> 「国連職員になるには
関連記事 >> 「国連職員の選考で出身大学の有利不利はありますか

国連職員の給料や年収は?

国連職員の給料が気になる方もいると思います。給料も自分のキャリアを考える上での重要な要素です。

国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編」にいわゆるインターナショナルスタッフの給料。ほとんどの人による国連職員はこの部類に入るかと思います。

国連職員の給料 一般職編」に一般職、ローカルスタッフの給料が書いてあります。

国連職員の給料 フィールドスタッフ編」にフィールドスタッフの給料を書きました。

関連記事 >> 「国連職員の給料 管理職・専門職・上級職編
関連記事 >> 「国連職員の給料 一般職編
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日本語の記事が少ない

日本語で役に立つ記事が少ないと感じています。外務省が頻繁に情報発信をしていますが、外務省以外の情報発信に関してはあまり表に出てきていない印象を持ちます。まずは外務省のページを熟読することをお勧めいたします。しっかりとした情報が取得できます。また、僕のブログ内にて僕が個人的に役に立つのでは、と思う情報を定期的に更新しています。また、なるべくその情報元となったソースも載せるようにしています。このブログを通して、どのように情報を取得をすれば良いのか自分なりの方法を確立していただければ嬉しいです。

ちょっとしたアドバイス

  • 欲しい情報にありつくために、国連で使われてる用語を理解するよう努めましょう(例:Competency based interview)
  • 外務省国際機関人事センターのFacebookページをフォローしましょう。耳寄り情報が取得できます。
  • 僕が投稿しているFacebookページTwitterをフォローしていただければ、国連に関連する情報を都度シェアいたします。
亀山 翔大
亀山 翔大
東京都出身。MBA。Project, Program, Portfolio Managementを専門。PMOとして働きつつ、イギリス大学院でサイバーセキュリティを学ぶ。前職である国連にて国連世界ICT戦略遂行、国連グローバルPMO推進。UN KUDOS! Award 2019優勝。プロジェクト(プログラム)マネジメント(PRINCE2/MSP)、サイバーセキュリティ(NIST CSF)等の資格を有する。 プロフィール詳細はこちら

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