現在タイに来てから三年が経ちました。タイに来てからは一年毎に引っ越して、なるべく色んな場所に親しもうと思っているのですが、毎回苦労していることがあります。
いわゆる敷金礼金詐欺です。タイで賃貸をするときには仲介業者を通してコンドミニアムを探していたのですが、正直ひどいオーナーが多いですね。敷金を返さまいとあの手この手を使ってきます。
特に私のような外国人は、泣き寝入りをするケースが多く、国連職員の中でも問題になっています。
今回、二軒目のコンドミニアムを出る時、全額ちょろまかそうとしてきたので、今回は法的な手段も含めて全面的に闘おうと思っています。この記事はその話です。
悪徳オーナーが全額ちょろまかそうとしている背景
1件目のコンドミニアムを出る時に、言いがかりをつけられ敷金礼金を一部ちょろまかされたことがあり、今回のコンドミニアムは何も粗相がないように部屋の状態を最善に保ち、問題が出るたびにオーナーに連絡をとっていました。
今回、オーナーが主張している点は、「水漏れ」によって痛んだ壁、および床の修繕です。そもそも水漏れによって壁が痛んでいることは入居時に報告をしていましたし、コンドミニアムエンジニアと確認をとる限り無料で修復をしてくれる程度の痛み具合です。
この痛んだ壁および床の修繕に敷金礼金を全額(日本円にして15万円ほど)当てないといけないと主張しているわけです。事前に壁が痛んでいることを伝えましたが、(時間経過とともにさらに痛んだことから)さらに痛んだことを伝えなかったことが悪いというのが先方の主張です。
そもそも契約では全て問題ないこと
そもそもこの水漏れがあることは隠れた瑕疵ですし、天候が原因によることで痛んでいることなので、オーナーは主張することは(契約に明記されているので)できません。また、報告義務も(契約上)ありません。これは弁護士にも相談にのりました。法的手段を行えば100%勝てると。
仮に、修繕費用を負担するとしても、1万円以下で済むようなものです。それを法外な値段をふっかけてきているわけです。
というよりも、敷金礼金はオーナーがすでに持っていますから、それを返金しないという主張です。
オーナーの更にひどい主張
敷金礼金は返せないという連絡をもらった時に、実際の部屋の状態をコンドミニアムのエンジニアと見ながら話し合いの場を設けるように連絡をしました。すると、下記のような返答が返ってきます。
- 話し合いはしない
- どうしても話し合いをしたいのであれば、サヤームパラゴン(近くのデパート)にて行う。コンドミニアムでは合わない。
- そもそもお前の敷金礼金はこっちが持っているんだから、話すだけ無駄。お金は絶対に返さない。
これは何度かけあっても門前払いで、なかなかこちらの主張を飲んでくれません。先に断っておきますが、初めは人当たりのいい人だったのです。最後の最後で本性を現したと言いますか、どんどん態度が横暴かつ悪質になっていきます。これには仲介業者も困ってしまいました。
オーナーに直接電話
全て仲介業者に任せていましたが、埒が明かないので直接連絡をしました。オーナーが英語を話せないせいか、僕を新しい客と勘違いし、内見したいか聞いてきました。向こうが勘違いすること自体は好都合なので、その通り話を進めました。断っておきますが、この時私は自分の名前を名乗っていますし、意図的に騙した訳ではありません。そしてこの内見の機会を得た時に得られた情報は今後の状況を大きく左右する情報を手に入れることができました。
実際にオーナーに会う
コンドミニアムにてオーナーに会いました。相当びっくりした顔をしており、騙したのかワーワー騒ぎ始めました。自分がちゃんと名乗ったこと、それを勝手に勘違いしたのはオーナーの方だと説明をし、実際に部屋を見ながら話そうと提案します。
オーナーはそれを拒否します。もう修繕は済んだと言い、その写真を見せてきました。もう修繕は済んだのだから、見る必要もないという主張です。これでは話が進まないので、強引に話を進めます。コンドミニアムのエンジニアを呼び、とにかく見せないと。こういうのは強引にいかないとタイ人はすぐに尻尾を巻いて逃げるというのが経験上わかっているので、とにかく言葉でまくしたてます。
そして実際に部屋にエンジニアと一緒にいきます。このあたりから自分のスマホで動画を撮り始めます。部屋に行くと思った通り、確かに修繕されていますが、コンドミニアムのエンジニアはこの程度無料でなおせるといってくれます。床も変える必要が全くないと。これに難色を示したオーナーは、部屋を出ようと言います。こんな大したことがないんだからお金を返せと主張すると、セキュリティを呼べとオーナーは叫び始めます。オーナーがどんどん変態していくのがわかります笑
部屋を出て、コンドミニアムのオフィスにオーナーを連れていきます。コンドミニアムスタッフの見解を聞くためです。オーナーはスタッフに向かって、いかに僕たちがお金を払わないといけないかを必死に主張します。コンドミニアムスタッフは呆れて、「借り手がお金を払う必要は全くない」と説明します。状況が悪くなったオーナーはそそくさと帰り始めます。再度、お金を返すように詰め寄ります。
顔を真っ赤にして、「お前のお金は私がすでに持っているんだ。絶対に返すものか」と主張してその場を去りました。
何があっても全面的に闘おうと決めた瞬間でした。
対抗手段
ここでいくつかその対抗手段を調査しました。僕が使える手段は少なくとも三つあることがわかりました。
- 警察に行く
- タイ政府が運営している消費者保護事務局(OCPB: Office of Consumer Protection Board)に行く
- 税務課(Revenue Department(http://www.rd.go.th/publish/index_eng.html))に行く
この中で敷金礼金が返ってくるのに直接役に立つのは2つ目の消費者保護事務局です。他の二つはオーナーへの別方面の圧力です。特に税務課はオーナーが税金を払っていない場合大きな圧力になります(今回のケースは大金を脱税している可能性が高いためカードの一つとして取ってあります)。
対抗手段その1:警察に行く
まずは被害届ということで、警察に向かいます。警察は夜でもやっていますので、有給等をとる必要はありません。
結論から言うと、警察は何も助けてくれません。ただ、少しでもオーナーに圧力をかけるために警察に行きました。この被害届は即効性はないけれども、長期的にこのオーナーが何かやらかした時に効果を発揮する(かもしれない)という程度のものでした。
ちなみにタイの警察は本当に働かないですね。渋滞がひどいのに、渋滞緩和対策を全くとらないですし。賄賂を徴収しまくってますし、タイで一番腐敗した組織の一つですね。
対抗手段その2:消費者保護事務局にいく
警察は全く役に立たなかったので、消費者保護事務局OCPBにいきます。ここは平日の昼間しかやっていないので、上司に許可をとってきました。本当はオンライン申請ができるのですが、弁護士に直接出向いて申請した方が良いと言われたので、実際にOCPBにいきました。
場所はバンコク市内からは少し遠いところにあります。
ここは本当に素晴らしいサービスを提供します。
ポイントは下記の通り。
- OCPBに手続きをしてから30日以内にOCPBがOCPBの弁護士と一緒に話し合いの場を設ける。相手がその話し合いを拒否した場合は罰金を払う必要があるため、強制力がある。ただし、相手がそれをビジネスとして行なっていることが前提。今回は相手がいくつもコンドミニアムの部屋を所有していて、ビジネスをしているのがわかっていたので、今回はそれに当たる。
- もしその話し合いで折り合いがつかない場合はOCPBがその相手に対して訴え裁判所で争うことになる。
- 僕は一銭も払う必要がない。全てOCPBがやってくれるし、弁護士もOCPBが用意してくれる。
とのこと。
というわけで、まずはここでとめています。近々その話し合いの場が設けられるはずなので、それは改めて記事にしたいと思う。
対抗手段3:税務署に行く
これは最終手段と思っている。相手が脱税していた場合、その税務署が資産を徹底的に調べる。コンドミニアムのオーナーの場合数百〜数千万バーツ近くの脱税をしている可能性があるのでその請求が政府からいく場合、最悪僕に対しても報復行為が向かないとも限らない。慎重に検討しようと思う。
正当な手段で徹底的にたたかおうと思う
こういう横暴で悪質な人は本当に許せない。あくまで正規の手段で徹底的にたたかおうと思う。経過報告もしようと思っています。
以上「タイでよくある敷金礼金詐欺にかかっているので徹底的に戦う【警察・消費者保護センター編】」でした。