学歴に関するよくある質問にお答えします
「国連職員になりたければ、最初から大学院を視野にキャリアプランを」でも学歴に関する記事を紹介しておりますので、こちらも併せてご覧ください。
まず、ざっくりとはじめに結論をまとめます。
- 国連職員になる選考で、出身大学や出身大学院による審査の有利不利はありません。
- マイナーすぎる大学は審査対象外になる可能性があるかもしれません。
- WHEDというサイトに認められている大学や大学院のリストが定められています。
- 学歴で重要なのは専攻分野と所属学部です。
- 学部による有利や不利は
ないある。需要の多い職や、つねに人材不足の職種はある可能性あり。 - 学部を決めるにあたって国連のトレンドを見るのはありかも?
- 最終的には自分の夢中になれる分野が著者のおすすめ(ただし、しっかりとリサーチをした上で決めないと後々後悔することもあるため、リサーチをしっかりとした上で決めること)
- 修士号をとることをキャリアプランに入れることを忘れずに。
- 資格は取れるだけとりましょう。
- 英語の勉強はしっかりと。
一つ一つ解説していきます。
国連職員になる選考で、出身大学の有利不利はありませんす
「国連職員になるために出たほうがいい大学もしくは大学院はありますか」という質問や「国連職員になる上で有利な大学はありますか?」という質問をよくきかれます。
結論からいいますと、出身大学や出身大学院による有利不利は「制度上」ありません。
ただし、あまりにもマイナーすぎる大学は選考の対象外になる場合があります。
審査する人はわたしたちと同じ人間ですので、世界的に有名な大学(院)の出身者はひいき目で見てしまうこともあるかもしれません。そこは審査する人次第です。
追記:その後の調査で、有利不利はあるだろうことがわかりました。国連事務局においては制度上はないはずですが(何しろそのような資料は見てこなかったので)、プログラム系の組織においては特に学歴が重要になってきそうです。日本人しか調べてませんが、トップスクールを出ている方がとても多くいました。ですので、自分が志す分野におけるトップスクールを出ることを真剣に考えましょう。
マイナーすぎる大学は審査対象外になる可能性も??
それでは、マイナーすぎる大学とはどういった大学でしょうか。世界には多くの大学や大学院があります。それらの大学や大学院のレベルを国連はどうやってチェックするのでしょうか。明確に定められています。
答えはWHEDです。WHEDに入っていない大学や大学院の学歴では応募できない(応募しても自動的に落とされる)かもしれません。
WHEDというサイトで大学を念のためチェックしましょう
WHEDは世界中の高い教育レベルを保っている大学(院)を記録しているデータベースです。といっても、メジャーな大学はほとんどこのデータベースに登録されています。自分の大学もしくは大学院がはいっているかどうか不安な人はチェックしましょう。
関連サイト >> 「WHEDのホームページ」
学歴で重要なのは専攻するあなたの分野、所属する学部です
それでは、学歴を見る上では何が重要なのでしょうか。まず、1番重要なことは「専攻する学部」です。国連では応募するさいに、その人が対象の職種の専門分野に関する学問をしてきたかどうかがチェックします。
たとえば、ITに関する職種があったとします。ほとんどの場合において、ITに関する職種の応募条件に情報システムやコンピュータエンジニアリングなどの学歴がもとめられます。その応募者に政治学や経済学もしくは教育学出身の人と、情報科学、情報システムなどを学んできた人がいたとします。この場合、政治学や経済学、教育学出身の人は高い確率で書類選考で落とされる可能性があります。条件を満たしていないためです。もう一人の情報システムを学んできた人は、学歴の部分はクリアしているので、さらに詳細をチェックされます。
このように自分がやりたい仕事と自分の学歴がしっかりと合致していることが国連で働くためには重要です。
すると、このような質問が来ます。
「とにかく国連で働くことが目標です。国連で働くにあたって、この学部とこの学部ではどちらの方がより国連で働ける確率が上がりますか(有利ですか)?」
難しい質問です。
学部による有利や不利はない、けれども需要の多い職や、常に人材不足の職種はある可能性あり
結論からいいますと、学部による有利不利はありませんが、需要の多い学問とそうでない学問はあるかと思います。また、窓口は小さいけれども、常に人員が不足している分野もあります。
では、需要の多い学問とそうでない学問の差は何ですか?と聞かれますと、少し答えに迷いが出てきます。私自身、この学問の分野の仕事はよく募集されてるなとか、この職種は大量採用してる分野などあまり追いきれていません。分析をする機会があれば、多く募集している学問を抽出していきたいと思います。
学問を決めるにあたって、国連のトレンドを追って見るのも一つの手かも?
ただし、国連事務総長の言葉や、世界で起こっている国連の会議などを見ていると多少の分析はできるのかなと思います。
たとえば、最近国連事務総長は「グローバルサービスデリバリーモデル」を進める方針を決定しました。このグローバルサービスデリバリーモデルは、世界中にある共通する管理機能(人事、財務、トラベル、調達) を統合し、世界の3拠点もしくは4拠点で世界中の管理機能を対応する試みです。このグローバルサービスデリバリーモデルにより、多くのアドミン系の職が失われることになるのではないでしょうか。そうすると、これらの機能に関する学問の職種の募集は短期的に少なくなることが予想されます。
COP21やSDGsの動きをみてみると、環境、貧困、防災等に関する分野や、これらをサポートする分野は長期的に需要があることが予想されます。では、そのサポートする分野とは何でしょうか。たとえば、統計に関する分野や、プロジェクトマネジメントや、国との調整に関する分野や、民間セクター関係、都市開発といった分野が関係すると思います。
こういった、現在の情勢をみることも重要です。それでも、大学で学問するのは短期的なことではありません。学部で四年間、大学院で一年若しくは二年間の時間を費やします。学部を変更したり、大学院で分野を変更することは可能かと思いますが、それでも長い期間その学問に自分の時間を投資しなければなりません。
しっかりとしたリサーチをした後に、素直に自分の夢中になれる分野に進むのがいいのではないか
そう考えると、国連でどこが需要が高いか低いかを求めるよりも、シンプルに自分がやりたい分野に進むのがいいのではないかと(個人的に)思います。ただし、これには条件があって、しっかりとリサーチをしてから決めることがとても重要です。リサーチをしてから決めるのと、リサーチをしないで決めるのとには雲泥の差があります。
国連には様々な職種を募集しているとはいえ、まったく国連に関係のない学問をしていたとしたら、たとえ国連職員になりたいと思ったとしてもとても厳しいでしょう。私は劇団四季で俳優をしていましたが、もし四年生の大学を出ずに、演劇の専門学校を卒業していたら、国連にはいることはむずかしかったでしょう(もう一度大学に入り直して勉強する必要があったと思います)。
自分のできる限りリサーチをして、様々な国連日本人職員のインタービューやブログ、外務省のページを読み漁り、どのようなポストが募集しているのか確認をし、最終的に自分の夢中になれる分野に進みましょう。
国連で働くには長期的なキャリアプランが不可欠です。じっくり自分の夢中になれる分野を探しましょう。何しろ国連は入ってから、色んな戦いが待っていますので、自分の武器(専門分野)をしっかりと鍛えておきましょう。
国連職員になりたいのであれば、修士号を取得することは初めから視野に入れておきましょう
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自分の行う学問、そして修士号この二つがとても重要です!この二つがあることにより、応募できるポストの数が一気に増えます。別の言葉で言い換えますと、修士号がないと応募ができないポストが多数存在します。
修士号を取得することは、自分の時間とお金を投資しなければなりません。お金のことに関しましては、様々な給付型の奨学金がありますので、奨学金のリサーチをしっかりとすることをお勧めします。「全額支給留学プログラム等の制度を3つ紹介」や「オーストラリアの奨学金を調べてみると待遇の良さに驚いた(1000万円以上の給付も)」ではオススメの奨学金を紹介しています。一度、記事に目を通して見てください。
学歴で不安な人は資格も取得しておきましょう
学歴以外で、あなたの専門をアピールする手があります。資格です。書類選考をする際に意外と資格欄もチェックしています。その資格がその職業に求められている資格である場合、加点される場合もあるでしょう。なので、もし学生時代に国際的に認められている資格を取得することができるのであれば、資格取得にも時間を投資すると良いかもしれません。
英語の勉強はもちろん必要です
最後に、国連を目指す人にとっては当たり前ですが、英語はしっかりと勉強しておきましょう。英語はどこの学部にも限らず必ず勉強しなければならない科目であると思います。しっかりと勉強できるときに勉強し、将来に向けて一つでもハンデとなる部分を無くしておきましょう。
国連に興味を持っている方は
国連で将来的に働きたいと考えている方は「国連職員になるには」の記事をご覧ください。とくに国連職員になりたいけど、何を知るべきかわからないという方に向けて書いています。
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以上「国連職員の選考で出身大学の有利不利はありますか」でした。