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そもそもプロジェクトとはなんですか? プロジェクトマネジメント資格「PRINCE2」の観点から見てみる

よくプロジェクトといいますけど、それって何ですか?

世の中にはプロジェクトが沢山あり、プロマネ(プロジェクトマネージャー)という仕事やプロジェクトリード、プロジェクトメンバーという言葉を日常的に使う組織もあると思います。

そもそもプロジェクトってなんでしょうか?

イギリス発祥のプロジェクトマネジメントの資格「PRINCE2」からの定義をみてみると下記のようになります。PRINCE2はPRojects IN Controlled Environmentの略です(2はどこからきたのでしょうか)。

A project is a temporary organization that is created for the purpose of delivering one or more business products according to an agreed Business Case.

プロジェクトとは「合意された一つ若しくはそれ以上のビジネスケースを実行・達成するために作られた一時的な団体のこと」

出典:「Managing Successful Projects with PRINCE2

あまり、ピンとこない説明かもしれません。どういうことか見ていきましょう。

 

会社や機関は二つのことをバランス取りながら経営する

プロジェクトの説明に入る前に、まずビジネスの二つの性質を見ていきます。

それぞれの会社や(国連などの)機関にとって一つの大きな課題の一つは、競合する二つことをバランスを取りながら進めていくことです。

一つ目が、現在のビジネスオペレーションを維持すること。英語ではBusiness As Usual (BAU)などと言い、利益、サービスの質、顧客関係、ブランドのロイヤルティ、生産性などに関係する通常業務のことをさします。

二つ目が、様々な競争に打ち勝つため、将来に備えた新しいビジネスオペレーションへの移行です。これは前進をするため、そして組織にとってベストな効果を生み出すための「ビジネスの変化」をどのように決定するかということでもあります。

 

プロジェクトとはビジネスに「変化」をもたらすもの

そして、プロジェクトはこの二つ目のビジネスの「変化」をもたらすものです。そして、マネジメントの焦点はこの通常のオペレーション業務(Business As Usual)とビジネスの変化(Business Change)のバランスに目を向けることが不可欠です。

プロジェクトと通常オペレーション業務には違う点がいくつかありますので、それらをみていきましょう。

 

通常オペレーション業務(BAU)とプロジェクトの違い

一つ目は、「変化」です。プロジェクトは組織に変化をもたらすものです。

二つ目は、「一時的」であるということ。プロジェクトには必ず終わりがあります(なければなりません)。プロジェクトによってある想定された(望んだ)変化が組織にもたらされると、通常のオペレーション業務(Business As Usual)が(新しい形で)再開します。そして、プロジェクトの必要性はなくなり、クローズします。プロジェクトは予め「始まりと終わり」が定められている必要があります。

三つ目は、「横断的」であることです。プロジェクトにより(一時的に)様々なスキルセットを持った人とチームになり、他の人々に「変化」をもたらします。プロジェクトは部局を跨いだ形式を取ることがありますし、場合によっては他の組織(会社)の人が加わります。そのため、通常のオペレーション業務とは違ったストレスがかかり、それぞれ「変化」に対するモチベーションも、みる観点も、熱量も異なります。

4つ目は、「一意(ユニーク)」であること。会社や組織の中には、たくさんの似通ったプロジェクトがあることがあります。それでも、一つ一つをみると、それぞれが何かしらの形でユニークです。異なるチーム、異なる顧客、異なる場所など、それぞれの要素を統合すると、それは一意となります。

5つ目は、「不確実性」があること。上の要素はどれもリスクがあります。当然通常業務においてもリスクはあるのですが、不確実性という観点から見てみると、プロジェクトの方がよりリスキーです。

ここで、もう一度冒頭の定義をみて見ましょう。

A project is a temporary organization that is created for the purpose of delivering one or more business products according to an agreed Business Case.

プロジェクトとは「合意された一つ若しくはそれ以上のビジネスケースを実行・達成するために作られた一時的な団体のこと」

出典:「Managing Successful Projects with PRINCE2

まとめると、プロジェクトとは予め合意された望ましい変化を達成するため、不確実性と戦いながらビジネスプロダクトを提供する、横断的に編成された、一時的な一意の組織であるということになります。

一文にすると詰め込みすぎな感じがしますが、通常オペレーション業務と比べるとその差がわかるかと思います。

プロジェクトというのがどういうものか、少し言語化できたのではないでしょうか。

 

PRINE2の資格に興味がある方は?

このブログはもともと、「国連職員になるには」という記事にもあるように、将来国連職員になりたい方に向けて情報を提供しています。PRINCE2は国連事務局や国連プロジェクトサービス機関とうの機関で積極的に利用されている(推奨されている)プロジェクトマネジメントフレームワークです。

関連記事 >> 「国連職員になるには

PRINCE2は資格があり、国連職員になる上でプロジェクトに関わる人にとっては書類でアピールするのに役立つ資格です。PRINCE2とは何か、資格の種類や内容、資格試験の形式は、合格点、筆者が資格を取得した際のかかった時間など「国連で推奨されているプロジェクトマネジメントフレームワーク「PRINCE2」」に書いています。ご覧になっていただければと思います。

関連記事 >> 「国連で推奨されているプロジェクトマネジメントフレームワーク「PRINCE2」

 

プロジェクトマネジメントに関わる方にオススメの本

なお、プロジェクトマネジメントに関わる方には下記のPRINCE2の本をお勧めしています。なぜオススメかというと、プロジェクトマネジメントに関わる必要な情報が網羅されており、用意するべき書類や、困った時にどうしたらいいのか、すぐに参考にできる箇所がたくさんあるからです。

特にプロジェクトマネジメントの書類作成に何から手をつけようか、何を書いたらいいか迷うことが多い方にお勧めします。僕も国連でよくプロジェクトマネジメントの資料を作るのですが、この本(英語版)を使ってパラパラとめくりながら仕事をします。こちらの「プロジェクトマネジメントの資格勉強に購入検討したいテキスト本を紹介」の記事も合わせてお読みください!

>> PRINCE2日本語版公式テキスト

>> PRINCE2 2017年度版公式テキスト(英語) 

>> PRINCE2 Agile公式テキスト (英語)

参考記事 >> 「プロジェクトマネジメントの資格勉強に購入検討したいテキスト本を紹介

注意ポイント

PRINCE2の公式テキストは2017年から新しくなり、PRINCE2 2017ができました。

日本語版はまだ対応されておりませんが、資格勉強をする上では今のテキストでも問題ありませんし、非常に役に立つと思います。(しかも日本語版の方が安くなっているので、お得と言えます)

 

なお、資格取得を考えている方は、ペーパーバック版をお勧めします

Practitioner、Professionalという中級・上級コースはこのペーパーバックの本(テキスト)のみが持ち込み可能です(Agile資格はAgileの本のみ持ち込み可能)。

他にも、プログラムマネジメントについて興味のある方は「プロジェクトとプログラムの違いはなんですか?プログラムマネジメント資格「MSP」から見てみる」もご覧ください。

以上、「そもそもプロジェクトってなんですか? プロジェクトマネジメント資格「PRINCE2」の観点から見てみる」でした。

亀山 翔大
亀山 翔大
東京都出身。MBA。Project, Program, Portfolio Managementを専門。PMOとして働きつつ、イギリス大学院でサイバーセキュリティを学ぶ。前職である国連にて国連世界ICT戦略遂行、国連グローバルPMO推進。UN KUDOS! Award 2019優勝。プロジェクト(プログラム)マネジメント(PRINCE2/MSP)、サイバーセキュリティ(NIST CSF)等の資格を有する。 プロフィール詳細はこちら

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