国際連合事務総長とは
国連事務総長は国連の「行政職員の長」であり、総会、安全保障理事会、 経済社会理事会、その他の国連機関から「委託される任務」を遂行する、外交官にして唱道者、公務員であると同時に最高経営責任者、また国連の理想の象徴であり、貧しい人々や弱い者の代弁者です。世界の平和が脅かされると判断した時には安全保障理事会に注意を促しますし、総会で討論すべき題を提案することもできます。幅広い行動が示されているものの、加盟国の関心事に対して注意深く考慮しなければならず、時には加盟国に対する意見に反対するリスクを冒してでも平和のために発言し行動しなければなりません。
現在の国連事務総長は?
現在の国連事務総長は8人目であり、韓国の潘基文氏が2007年1月より勤めています。詳しくは下記をご覧ください。
どうやって選ばれるか
国連事務総長は安全保障理事会で推薦された候補者が国連総会で承認を得ることで決まります。
どのような候補者がいるか
ヨーロッパ出身の人が選ばれる?
候補者は下記の9名の候補者がいます。それぞれヨーロッパ地域出身ですが、これは慣例としてそれぞれの地域の候補者が順番に選ばれるように配慮されてのことです。現(第8代)国連事務総長の潘基文氏はアジア出身ですし、その前の第7代国連事務総長コフィ・アナン氏はアフリカ出身です。第6代ブトロス・ブトロス=ガーリはアフリカ出身でしたが、第5代はハビエル・ペレス=デ=クエヤル氏は南米出身でした。その為、今回はヨーロッパから選ばれるだろうということで、ヨーロッパ出身の候補者が立候補しているという図式になるのでしょう。
Ms. Helen Clark ニュージーランド オセアニア | Mr. Vuk Jeremić セルビア 南東ヨーロッパ | Dr. Srgjan Kerim マケドニア共和国 東ヨーロッパ |
Prof. Dr. sc. Vesna Pusić クロアチア共和国 東ヨーロッパ | Dr. Igor Lukšić モンテネグロ 南東ヨーロッパ | Dr. Danilo Türk スロベニア 中央ヨーロッパ |
Ms. Irina Bokova ブルガリア 東ヨーロッパ | Ms. Natalia Gherman モルドバ 東ヨーロッパ | Mr. António Guterres ポルトガル 西ヨーロッパ |
女性が有利?
今回の国連事務総長の選出にあたり、一つの大きなキーポイントはジェンダーバランスです。特に国連の上級職や管理職レベルの女性の比率を鑑みて、今後女性の要職への選出が強く求められます。今回9人の候補者中4名が女性という様子を見ても、その時代の要請が大きく反映されていると言えるでしょう。因みに、私は国連のICT戦略等を進めていますが、そのICT戦略を進めるトップであるCITO(Chief Information Technology Officer)のAtefeh Riaziも女性であります。
是非国連TVの質疑応答の様子をご覧ください
国連のWebTVにて、各候補者一人一人が世界各地域の代表より質問を受けている様子が放映されています。質問は世界が抱えている問題や今後の国連の課題、各地域とどのように国連が連携を取っていくべきか、その人の資質などを問う質問など厳しい質問がどんどん飛び交います。それらの質問に対して、とても緊迫感のある中で候補者がどのように答えていくのか見ものです。また、報道機関との質疑応答もありますので、その人がどれほどの世界情勢に対する理解力があり、またそれに対してどのように解決していくか候補者の特性が見えてくるでしょう。候補者一人一人のWebTVリンク(英語)を貼りましたので、是非ご覧ください。また、同じくWebTV内で、候補者の名前で調べると報道とのやりとりもあります。