質問
回答
ご質問ありがとうございます。
関連する実務経験ですが、例にあがりました平和構築に関する経験はたくさんあると思います。国家間の協議調整経験、フィールドにおける現地調査を通した監視と評価(monitoring and evaluation)、人道援助機関が実施するプログラムの遂行など考えられますね。
実際のポスト募集要項
もし実際の国連のポストに応募する場合は、特定の職務経験が要求される場合がありますので、これは募集要項を見るしかありません。ここで例を出してみます。
Department of Political Affairs and Peace-building
POLITICAL AFFAIRS OFFICER(P4)
求められる職務経験
A minimum of seven years of progressively responsible experience in political science, international relations, law, disarmament, security, development management, conflict resolution or related area.
Experience drafting a range of documents, reports, and analyses for senior officials is required.
Experience in policy formulation is required.
Experience in coordination of processes across multiple stakeholders is required.
Experience in administrative and budgetary processes is desirable.
Experience in multilateral negotiation, mediation or inter-governmental processes is desirable.
Experience working on peace and security issues related to the Southeast Asia regions is desirable.UNJOB Siteより抜粋(https://unjob.site/ja/timelines/23132)
P4は少し上のレベルですが、このような職務経験が求められます。
United Nations Assistance Mission in Somalia
INFORMATION ANALYST, POLITICAL AFFAIRS(P3)
求められる職務経験
A minimum of five years of progressively responsible experience in intelligence, information analysis, political science, international relations, journalism, development, security (military or police) or a related field is required. Experience in research, information analysis and drafting of analytical products is required. Experience in a UN peacekeeping, or other field operation is advantage. Experience working in an integrated civilian-military-police environment is desirable. Experience working in the Mission’s geographical region of operations is an advantage.
UNJOB Siteより抜粋(https://unjob.site/ja/timelines/22766)
これは他のPolitical, Peace and Humanitarianに分類されていますが、こちらもPeaceと入っていましたので抜粋いたしました。こちらはよりジャーナリズムや情報分析などが出てきます(情報分析官の仕事のためでしょう)。この五年以上〜の経験および関連する分野と書かれていますが、重要なのはそれ以降の求められる経験です。必須(Required)および好ましい(Desirable, an advantage, an asset)ものはできるだけ全て経験として持っておきたいものです。
実際の例(ITの場合)
私はITの分野なので、ITの例にご説明致します。まずITの仕事を募集する時に、ITの仕事に全く関わったことがない人は書類選考の段階で問答無用に落とします。
1.関連する分野
どこを見るかと言いますと、国連の職務経歴を書く欄にその仕事の関係分野を記すところがあります。ここにITに関する分野が選択されている必要があります。あまりにもITとかけ離れている場合は落とします(一応、職務経歴もスキミングします)。逆に少しでも関係していそうだなと思う場合は、(私の場合は)一応残します。
2. 求められる具体的な職務経験
ITに関連する仕事に関わっていた場合に、更にふるいにかけます。例えば、その募集のポストがネットワーク(WiFi)の専門家を募集してたとします。そうすると、ITの分野でも例えばウェブアプリケーションエンジニアの経験があっても募集プロファイルと異なりますので、書類で落とします。これが関連分野の後に書かれている、必須項目やあれば好ましい項目の部分ですね。必須項目がなければ落としますし、あればロングリストの一人にカウントされます。
他の分野でも同じように採点されていることが考えられます
このようなことが他の分野でも起こると思っていただければいいのではないでしょうか。例えば、プログラム評価の経験があるとか、少しでも平和構築に関連するであろう経験がある場合は、その分野のポストを応募する一考の価値はあると思います。(繰り返しになりますが、学歴も伴わなければなりません)。
その分野に関連しているかどうかは、正直その書類を見る人の主観に依存してしまう部分があるかもしれません。そのため、いかに自分がその分野に関係しているかを正当化しなければなりません。メーカーや商社であっても、その分野で働いているのであれば問題ありません。(ただし、ポストによって国際的な環境で働いた経験、国際機関での勤務経験などが優遇されるポストも多くあります。)そして、上記に例を挙げて述べましたが、重要なのはその関連する項目の後に書かれている、より詳細な必要条件です。
JPOで募集では、ポスト単位でそのTOR(募集要項)を公表しているポストもありますので、TORをみて自分の職務経験が活きるかどうか確認できると思います。
「国連のポスト募集要項に書いてある「関連する職業」とは何か」の記事にも、どのような準備ができるのかを含めて説明しておりますので、併せてお読みください。
私のオススメは自分の希望する様々なポストの募集要項をみて、その募集要項が自分の経験が合致するか実際に調べてみルことです。そのギャップをみて実際にどのような対策がとれるのかを具体的にしていき、疑問を解消していきましょう。必要な経験がしっかり書かれているものが多いので大変参考になると思います。