3教科目は組織行動学という科目でした。英語ではOrganizational Behaviorと言います。授業は「組織文化」を理解するために概念的なフレームワークのアプローチから始まりまります。組織行動学はどちらかというとHR(人事組織管理)に近くお互いに補完しあっている教科です。人は、組織はどのような要素に影響を受けるのか、人にやる気を与えるためにはどのようなことを考える必要があるのか。給料なのか、達成感なのか、名誉感なのか。心理学的なアプローチも含んだ、少し主観的になりやすい教科でもあります。
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組織文化の概念的なフレームワーク
A Conceptual Framework for Understanding organizational Culture
- Antecedents
- Founder’s values
- Industry and Business Environment
- National Culture
- Senior Leader’s Vision and Behavior
- Organizational Culture
- Observable Artifacts
- Espoused Values
- Basic Assumptions
- Organizational Structure and Practices
- Reward Systems
- Organization Design
- Group and Social Processes
- Socialization
- Mentoring
- Group Dynamics
- Decision Making
- Communication
- Influence and Empowerment
- Leadership
- Collective Attitudes and Behavior
- Work Attitudes
- Motivation
- Organizational Outcomes
- Effectiveness
- Resistance to Change
これらの概念をグループワークを交えながら勉強しましたが、この科目の性質上主観的な観点から物事を考えなければならないことが多く、大分モヤモヤしながらの授業でした。何故なら、主観的、経験的な物事からのアプローチになりやすく、アドミン系の中でも抽象度の高い概念の勉強になるためです。例えば、リーダーシップに関して幾つかの理論があります。
二つのリーダーシップ論
リーダーシップの中でも僕が重点的に学んだのは交換型リーダーシップ(Transactional Leadership)と変革型リーダーシップ(Transformational Leadership)です。
交換型リーダーシップ
交換型リーダーシップは綿密に部下の行うべきタスクを決め、報酬や罰等と交換で人を導いていく型です。部下のモチベーションは報酬や罰によって補完されます。例えば、資源発掘会社において従業員による盗難が多発しており、この解決に交換型リーダーシップの手法でもって解決した例や、プリミティブな軍隊のリーダーシップに交換型リーダーシップが使われた例が紹介されていました。
変革型リーダーシップ
一方、変革型リーダーシップは不確実性が高い環境下において、チーム力を高め、部下のモチーベーションを高め、様々なレベルの仕事に取り組ませ、自分のもつ権限等を部下に移行するなど、リーダーのモラルや仕事の進め方等で人を引っ張り、部下が部下自身で自走できる組織内においての新たなリーダーを創出します。新たなリーダーを創出することにより、変化が必要な時にそのリーダーたちが柔軟に動けるという強さがあります。
当然のことながら、組織や社会において求められるリーダーシップが異なります。ただし、大きな組織でかつ複雑な社会の中に生きなければならない組織においては、変革型リーダーシップが求められ、その組織におけるリーダーは同時に交換型リーダーシップの要素も同時に求められます。
この分野において、ピータードラッカーが有名ですが、彼はリーダーシップの研究において米国軍隊を入念に研究しました。このリーダーシップにおけるひとつの結論に至ったのが、「大きな組織において、変革型リーダーは高度な戦略的思考と強力な交換型リーダーシップを持たなければならないということ。また、全ての経営層は厳しい評価の目に晒されなければならない。何故なら、中途半端な者を組織に長く引き止めておくことは、素晴らしい人材の流出に繋がるから。」ということです。米国軍隊におけるリーダーシップの研究において、その時々の政策における光と陰を紹介しておりました。
リーダーシップという概念を学ぶにあたっても、事例をしっかり学ばなければ何となく受けるセミナーと同レベルになってしまい、学術から遠ざかってしまいます。レフェリードジャーナル等を読み込むような授業形態が良かったと思いますが、教科書の表面をなでるだけの何となくな授業となってしまい残念です。
授業のアプローチ
そんな批判的なことを書いていましたが、どういうアプローチをっていたかといいますと、学習期間における月の上旬と下旬で違うアプローチをとっていました。上旬では講義とグループワーク(ゲーム)のアプローチ、下旬では生徒におけるプレゼンテーションで時間がほぼ終了しました。プレゼンテーションではグループワークを行うことが推奨されていました。最後の方では皆ゲーム疲れしてました。
試験
今回は最終試験のみでした。また、試験内容の大まかな内容は事前に知らされていました。
- チームワークは常に組織において機能するか。また、チームワークにおいてもとめられるリーダーシップとは何か
- 組織文化に関して。概念的なフレームワークを使った企業の分析。
- 企業の変化に関して。変化の作用。Functional and dysfunctional conflicts. Any cross-cultural problem as a result of changes. What are the forces of change.
- インタビュー記事を書け。その際、その個人における影響を与えた者、ロールモデル、自己実現、過去の成功体験等を交えて書け。
というような内容でした。言ってしまえば、幾らでも適当に論じることができる内容です。ただ、今回のリーダーシップ論のレポートを書くにあたり、しっかりと事例を読み込んで深く追求していくべきということがわかりましたので、今後また勉強する時にしっかりとこの点をおさえて取り組んでいきたいと思います。
他の科目の記事
他にも下記のような授業を受けました。
バンコクでMBAの第一学期が終わったので振り返る【分量分析入門】
バンコクでMBAの第一学期が終わったので振り返る【経営情報システム】