明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
昨年のアクセスに関して
このブログは前年度比5.4倍のアクセスを頂き、アクセスが増えてまいりました。これは単純にサイトの記事数が増えたこと、またソーシャル系の拡散に少しずつ力を入れ始めたことによるのではないかと考えています。今後も自分のペースで、為になるような情報を共有していきたいと考えております。
また、個人的な目標に対してもだいたい90%ほどは達成でき、忙しくも非常に充実した一年でございました。
昨年の中旬ごろから国連のシステムについて体系的に学ぼうと国連の公式文章を読み、その都度このブログ記事にも共有させて頂きました。特に採用系の記事に注力してきましたが、今年はさらに一歩踏み込んでいきたいと考えています。
このブログ記事の特に採用系の記事を読んでくださった方には、その情報量の多さに驚いた方も多いかと思います。実はこの採用系の記事でもまだまだカバーしていないところが相当たくさんあります。さて、実際にそれらをカバーしたとして、果たしてこれが役にたつかどうかは別問題です。いつしか情報提供だけでは物足りなくなっている自分がいます。それらの情報をいかに活かすかが重要であり、如何にそれらを元に対策をするかが真に見るべきところです。
また、情報は基本的に国連事務局に関することを発信してきました。これは他の国連機関にも類似点があると同時に当然のことながら相違点も多く存在します。たとえば、国連の採用基準として用いる、資質(Competencies)一つとっても、各国連機関ごとに求めているものが違います。それぞれの国連機関がそれぞれ違う機能を有している為なのでしょうが、一般的に国連を目指している人には混乱の種です。この資質は国連事務局においては面接でCompetency-based Interviewという方式での面接をとっており、各資質ごとに質問が用意されています。
コンピテンシーの違いを国連機関ごとにみて見る
国連事務局・国連開発計画
たとえば国連事務局と国連開発計画(UNDP)は下記のCompetenciesがあります。ほぼ同じ項目ですが、その内容は国連事務局と国連開発計画で異なります。またそのコンピテンシーをどのように使うかは、こちらの国連採用試験面接質問集をご覧ください。
コアバリューとして
- Professionalism
- Integrity
- Respect for Diversity
コンピテンシーとして
- Communication
- Teamwork
- Planning and Organizing
- Accountability
- Creativity
- Client Orientation
- Commitment to Continuous Learning
- Technology Awareness
マネジリアルコンピテンシーとして
- Vision
- Leadership
- Empowering others
- Managing Performance
- Building Trust
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)
次にUNESCOを見てみますです。
コアバリューとして
- Commitment to the Organization
- Integrity
- Respect for Diversity
- Professionalism
コアコンピテンシーとして
- Accountability
- Communication
- Teamwork
- Innovation
- Results focus
- Planning and organizing
- Knowledge sharing and continuous improvements
マネジリアルコンピテンシーとして
- Driving and managing change
- Strategic thinking
- Making quality decisions
- Building partnerships
- Leading and empowering others
- Managing performance
国際連合児童基金(UNICEF)
UNICEFをみてみます
コアバリューとして
- Diversity and Inclusion
- Integrity
- Commitment
コアコンピテンシーとして
- Communication
- Working with People
- Drive for Results
ファンクショナルコンピテンシー
- Deciding and initiating Action
- Leading and Supervising
- Relating and Networking
- Persuading and Influencing
- Applying Technical Expertise
- Analyzing
国連人口基金(UNFPA)
では国連人口基金(UNFPA)はどのようなCompetenciesがあるかというと、
コアバリューとして
- Exemplifying integrity
- Demonstrating commitment to UNFPA and the UN System
- Embracing Diversity
- Embracing Changes
コアコンピテンシーとして
- Achieving Results
- Being Accountable
- Developing and applying professional expertise
- Thinking analytically and strategically
- Working in teams/managing ourselves and relationships
- Communicating for impact
マネジリアルコンピテンシーとして、
- Providing strategic vision and focus
- Engaging internal/external partners and stakeholders
- Leading, developing and empowering people/creating a culture of performance
- Making decisions and exercising judgement
国際連合食糧農業機関(UNFA0)
UNFAOは下記の通りになっています。
コアバリューとして
- Commitment to FAO
- Respect for all
- Integrity and transparency
コアコンピテンシーとして
- Results focus
- Teamwork
- Communication
- Building effective relationships
- Knowledge sharing and continuous improvement
リーダーシップコンピテンシーとして
- Strategic thinking
- Results focus
- Leading, engaging and empowering others
- Communication
- Partnering and advocating
- Knowledge sharing and continuous improvement
UN Resident Coordinator
全然違うものの例としてUN Resident Coordinatorをあげます
Impact and Driveとして
- Advocacy and Influence
- Resilience
- Principles, Values and Ethics
Managing Complexity
- Analysis and Decision-Making
- Strategic and Political Thinking
Delivering Results
- Planning and Organizing
- Drive for Results and Accountability
Learning and Engaging
- Leading and Managing People
- Engaging and Nurturing Partners/Stakeholders
これをまとめると下記のようになります。
このように、コンピテンシー一つとっても類似点もあれば、相違点も数多く存在します。太字で書いてある部分が、類似している部分です。国連の応募ポストにはこれらのコンピテンシーが指定されており、面接試験においてこれらのコンピテンシーに関する質問がされます。それぞれのコンピテンシーに加点対象(と減点対象)が定められていますので、これらを加味しながら対策を取るわけです。これをそれぞれ対策するには相当の労力が必要だと思いませんか?ここに7つの国連機関をあげましたが、国連機関はもっともっとたくさんあります。
どういう風に対策をするか。とにかく調べること…??
実際に気になる機関ではどのようなコンピテンシーを持っているのか、「対象国連機関 Competency Framework」でググってみましょう。この中で各コンピテンシーの説明をみて、且つPositive IndicatorとNegative Indicatorを見つけます。面接をするときにこれらの内容を考慮に入れながら話すことが重要です。
僕自身も、どのような形でみなさんの対策に役立てることができるか考えています。このまま情報発信を続けていき、少しずつ理解を深めていただくことはその一つではありますが、人間どうしても忘れてしまうものです。当然皆さんがそれぞれが各機関に対して、入念に調べることができるのであれば、それに越したことはありません。(興味関心がある機関、働きたい機関があれば、積極的に調べることをお勧めします。山のように情報が出てくるかと思います。)
僕は調べていくうちに、これを体系的に対策できるプラットフォームがあればいいなと思うようになりました。色々調べてみましたが、なかなか自分の求めているようなものは見つかりませんでした。ということで、自分で作ろうと思うように至り、現在プラットフォームを開発中です。せっかくIT分野の職についてますし、一つぐらいは自分の作品と思えるようなものを作ろうかと。
具体的な対策ができるようなプラットフォームを作りたい
実際に上記にある写真が、現在開発中の画面です。赤を基調にして作っています。目標としているのは、このプラットフォームで国連のポスト情報を把握し、それぞれの応募内容の対策(例えば、Action Verbを使っているか、Competencyごとの対策が取れているかどうか)といったこと、また過去に書いたアプリケーションの管理です。これを行うにあたって、国連組織のことをしっかりと知らなければならないので、自分も実際に調べながらになるかと思います。相当時間がかかるんだろうなと思いつつも、作って行きたいと思います。
なお、作っている様子をTwitterでも公開していますので、どういう風に作成しているのか興味のある方はそちらも併せてご覧ください。(フォローもしていただけると、嬉しいです。)
また、Facebookのページもフォローをよろしくお願いします。
https://www.facebook.com/kokurenshokuin/
では、本年も皆様にとって素晴らしい年になりますように。どうぞよろしくお願い致します。
亀山翔大
以上、「国連組織による違いを見てみる コンピテンシーに関して」でした。