前回は分量分析入門について振り返りましたが、今回は経営情報システムに関してです。
なお、前回の記事はこちらです。
バンコクでMBAの第一学期が終わったので振り返る【分量分析】
二科目目:経営情報システム入門
経営情報システムとは
この教科はITをどのように活用してビジネスを進めていくかに焦点が当てられます。そもそも情報システムと情報技術は何が違うのかの定義から授業が始まりました。
情報システムとは
“組織内の意思決定、調整、制御、分析、視覚化を支援するために情報を収集し、処理し、保管し、普及させるために相互に関係するコンポーネント”
とあります。現代のビジネスにおいて、「情報」により多くの価値をつけるようになりました。その情報をビジネスにおいて、組織において如何に適切に処理し、経営に役立てていくのか考えるのが経営情報システムです。この授業においても経営とついているだけあり、まずはビジネスの課題からのアプローチを始めます。
- ビジネスにおける課題から、
- ①経営層が計画し
②組織として行動に移し、
③どの技術を用いるか決めたところで、 - 情報システムを構築して運用し、
- 解決策に対してのパフォーマンスの計測、課題が解決できたのか、評価したのち
- 新たなビジネスの課題への対処を行う。
簡単に要約すると情報技術は技術そのものに焦点が向き、情報システムにおける情報技術(IT)は目的を達成するための一つのツールという考え方になります。CTO(最高技術責任者)とCIO(最高情報責任者)がどう違うのかにも若干ながら焦点が当たりました。
どのようなことを勉強したのか
第一部 組織、経営、そしてネットワーク化された企業
- 現在のグローバルビジネスにおける情報システムとは
- グローバルEビジネスに関して(ビジネスプロセスとは、ITはビジネスプロセスどう洗練させるか)
- 情報システムと組織と戦略
- 情報システムにおける倫理と社会の課題
第二部 情報技術インフラ
- ITインフラと技術
- ビジネスインテリジェンス(BI)の導入(データベースと情報管理)
- テレコム、インターネット、無線技術
- 情報システムセキュリティ
第三部 Digital Ageにおける重要なシステムアプリ
- エンタープライズアプリケーション
- Eコマース
- ナレッジ管理
- 意思決定力を如何に高めるか
第四部 管理システムを構築する
- 情報システムを構築する
- プロジェクトを管理する(Change Management)
- グローバルシステムを管理する
ざっくりとした目次は上記のことを勉強しましたが、ITのことだったのでほとんど知っていましたが、どのように体系的に経営に活かしていくかを学ぶいい機会でした。
授業の進め方
- 講義形式での学び
- 個人プレゼン
- グループプレゼン
今回担当になった先生はChaiyachet PhuPhu Savichit先生。チュラロンコーン大学でも教鞭をとってる若い先生で、若さ溢れる人気の先生です。スムーズな授業の進行とわかりやすい表現で情報システムについて語ります。休み時間には他のクラスの生徒がたくさん必ず訪れてくるほど、モテモテです笑。
今回、僕に課された個人プレゼンでのテーマは、倫理と情報における消費者の保護という観点から「米国消費者製品安全委員会(CPSC)のSaferProduct.gov」についてでした。
グループプレゼンは、自分たちで事例を見つけ(できれば企業をインタビューして)その企業の情報システムに関して研究します。僕のチームは某半導体企業の梱包プロセスにおける事例を研究しました。今まで聞いたこともないBaaNというERPシステムについて調べ、少ない情報からどのようなシステム運用体制なのか等をまとめました。こういったグループプレゼンを経て、周りがどういう視点を持っているのか、どれぐらい限られた時間の中で有益な情報を提示できる能力を持っているのかいい機会でもあります。
テスト
今回は中間試験はなく、最終試験のみでした。その代わり個人プレゼンとグループプレゼンにそれなりの比重の評価ポイントが課されますが、そういった評価ポイントは一番最初の講義にて発表されます。今回の最終試験ではオープンブック形式(教科書等持ち込み可能)でした。テスト内容は忘れてしまいましたが笑、事例をもとにした記述問題で制限時間は3時間。合計4問ありました。
今回の経営情報システムについては、まだ入門ということで深いところまでの議論まではしていませんが、情報システムを俯瞰してみるという点でとても有意義なクラスでした。現在ではITは経営に置いて切ってもきれないほどの影響を持っています。経営者としてどうITや情報システムを捉えビジネスを進めて行くか、内部調整をどうに進めて行くのか、グローバル体制に置ける最適な情報システムの構築とその方針等、非常に難しい課題でもありますが、来年また時間をかけて考察していきたいと思います。
次回はフレッシュマンセミナーについて書きたいと思います。