私の国連での仕事 その1

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UNESCAP全体図

UNESCAPでの私の仕事

現在私が担当している仕事を簡単に紹介します。私は国連アジア太平洋経済社会委員会(the United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)で働いています。国際連合の経済社会理事会の地域委員会の一つです(どのような組織があるのか、国連広報センターのHPに日本語で纏まっている図が掲載されてありますので、是非下記をご覧ください。)。

http://www.unic.or.jp/files/organize.pdf

この組織(UNESCAP)の中で私は管理部、情報通信技術管理部門に勤務しています。国際連合と聞くと、日本人にとっては平和維持活動や人権問題、環境、世界遺産などイメージしやすいかと思いますが、私は裏方的な役割を担っており、直接環境やエネルギーなどのプログラムには携わりません。私が勤務している部署では、国連内で使っているパソコン機器やプリンター、Wifi、LAN、などの組織内機器の整備やネットワーク、ESCAPに関連するウェブサイト、国連のデータセンターの管理などICT(情報通信技術、日本ではITという言葉の方が一般的かもしれませんが、ここでは「通信」も含みます。)に関係するものを多く扱っています。(全てではなく、多くと説明しているのには訳がありますが、話が複雑になりますので別の投稿にてお伝えできればと思います。)

私はその同じ部署の中でも、システムの運用・メンテナンスをするというよりかは、国連ICT(情報通信技術)戦略の推進、ICTコンプライアンス、セキュリティ推進など「プロジェクト」を動かす仕事をしています。

国連全体として、ICTの課題が幾つもあります。その一部を紹介しつつ、それをどのように達成しようとしているのかを説明したいと思います。尚、ICTの課題は実際に国連総会(General Assembly)にて公開されていますので、それを個人のブログで公開しても問題ないでしょう。(笑)

 

国連組織としてのICT

 

資料は意外な程公開されている

例えば、私がこれから挙げる課題はドキュメントとして誰でも閲覧することができます。例えば国連総会で可決された下記のドキュメントには、それなりに詳しい国連のICTの内情が書かれています。

United Nations Official Document

United Nations Official Document

A/69/517のパラグラフ25を見てみると、下記のような記述があります。

Across the Organization, there are currently almost 2,000 applications, 70 ICT units, over 130 ICT help desks, 44 data centres and 177 server rooms

近年(国連)組織を通じて、約2000のアプリ、70のICTユニット、130のICTヘルプデスク、44のデータセンタ、そして177のサーバールームがあります。

 

国連のICTに関しては統合の流れにある

ここで示されているものの中には重複しているもの、セキュリティ的に問題のあるもの等含めて数多くの課題が見つかりました。これらを統合し、大きくまたより高度なシステムのまとまりとして管理していくことに今後重点的に取り組んでいくことに決まりました。

国連の旧体制とシステム(テクノロジー)の未発達が原因になっている??

そもそも何故このようなことが起こったかと言えば、様々な国連組織がある中で、それぞれの組織がそれぞれ独立してICTの環境を用意してきたのではないかということが推測されます。それぞれの組織が各々にシステムを開発し、データセンターなど構えるなど行っていれば、統一感のないそれぞれの組織にカスタマイズされすぎた、小さなシステムが数多くできてしまいます。費用も嵩みます。またシステム(テクノロジー)が世界全体を一括で効率良く管理する程までに技術が発展していなかった(費用対効果が悪かった)というのもあるでしょう。今までそれぞれの組織で独立して管理していたものを、ニューヨークのヘッドクォーターを基点とし、中央集権的に管理をし、重複しているところを統合し、国連全体の足並みを揃えていこうとしているのが今の流れにあります。

今でも多くの 国連職員がICTを十分に活用できる環境が用意されていない

実際に様々な国連組織にICTのことで話を聞いてみると、ICTをどのように活用し、どのような恩恵を受けているのか組織によって違いが見受けられます。温度差があるということは、ちゃんと認知されていないということでもあります。国連全体でどのように効率的に管理し、便利なサービスがあることを認識してもらい、活用してもらうのかが課題となっているように思います。

世界中に散らばっているオフィスをどのようにまとめていくか

では、そもそも世界中に散らばっているオフィスはどのように束ねていけばいいのでしょうか?それを解消しようと発案されたのが、リージョナルテクノロジーセンター、通称RTCです。

四つのリージョナルテクノロジーセンター

このRTCは既に各大陸にあるリージョナルオフィスに対して新たな機能を持たせるものです。

  1. アフリカ大陸ではケニアのナイロビ(the United Nations Office at Nairobi)
  2. アメリカ大陸はニューヨーク
  3. アジアはバンコク(the United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)
  4. そしてヨーロッパはスイスのジュネーブ(the United Nations Office at Geneva)
RTCに関するガバナンス図
RTCに関するガバナンス図

 

これらの各RTCがその地域のICTに関わることを責任持って担当し、OICT (Office of Information and Communications Technology)が定めるICT戦略を遂行していきます。例えば、私のオフィスはバンコクにありますので、アジア全域が私の担当範囲になります。各オフィスの情報を集めて、同僚と協力をして各政策を進めていきます。まだまだ始まったばかりの機能ですので、少しずつナレッジを蓄積し、効率の良い運用を目指していきます。

このRTCに関する、ミーティングの一部も公開されています。例えば、下記のリンクは国連の様々な会議を中継するプラットフォームですが、そのプラットフォーム上で国連のICTタウンホールミーティングが公開されました。このミーティングは国連のICTに関わる全ての人の閲覧が推奨されています。

このように国連総会であげられている一つの課題に関しても、組織が大きいがために様々な工夫を凝らさなければ達成することができません。このリージョナルテクノロジーセンターのプロジェクトは私が担当しているプロジェクトの一部にすぎませんが、またの機会に公開できるものに関してはご紹介したいと考えています。

少しでも興味を持って頂ければ幸いです。


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東京都出身。劇団四季俳優、日本IT企業CTO(最高技術責任者)、国連防災世界会議ITコーディネーター、Fintech企業のKyash、国際連合アジア太平洋経済社会委員会を経て、現在国際連合プロジェクトサービス機関に勤める。国連ICT戦略推進、リージョナルセンター設立、コンプライアンス、セキュリティ強化など様々なプロジェクトを手がける。 各国連組織にある求人情報を一括取得し、自分で管理するお手伝いをするサービス、https://unjob.site を運用中。