コンテンツ
- はじめに
- 『国連ユースボランティア』とは
- 仕事内容/何をしているのか
- メリット
- 別の手段
- 最後に
1. はじめに
こんにちは!上智大学の高安めい菜と申します。
現在、私は『国連ユースボランティア(UN Youth Volunteer)』というプログラムを通して学部生ですが、UNDP Thailandで働いております。
「国連職員」と聞くと、JPO、YPP、公募制度の3つが主な手段として挙がると思います。その前には修士課程を取ったり、職務経験を積んだりと資金と労力を要します。
私もこのプログラムを知るまでは国連は「何年後かに挑戦するもの」という認識でいました。そんな遠い存在だった国連というものを身近に感じることができたのがこのプログラムです。
10月初旬に到着し、まだ働き始めて1ヶ月も経っていませんが、とても貴重な経験をさせて頂いているなと感じます。
今回はそんな、『国連ユースボランティア』をより多くの人に知っていただき、皆さんの学生生活の選択肢の一つとして考えるきっかけとなれば幸いです。
2. 『国連ユースボランティア』とは
『国連ユースボランティア(以下UNYV)』とはヨーロッパや米国、日本などの大学が国連と提携して大学生を世界の国連機関に派遣するプログラムです。
国によって少しずつ制度が違うと思うのですが、今回は日本のUNYVに限定して書かせて頂きます。
日本では元々関西学院大学で始まったプログラムで、現在は9大学(大阪大学、関西学院大学、国際教養大学、上智大学、筑波大学、東洋大学、明治大学、明治学院大学、立教大学)に広まっています(個人的にはもっと多くの学生に広めていきたい!)。
選考は学内選考(CV+面接)通過後に国連選考(CV+面接2回)がありました。派遣生は9月末~10月初旬より5ヶ月間に渡り、国連機関で実際に国連職員の方と一緒にフルタイムで働きます。
2017年度は6大学から※17人(1カ国1人)が派遣されています。仲間が世界17カ国に散らばっており、今から帰国後に色々な話をするのが楽しみです!
現地渡航前には同じ二度の事前研修があったり、現地での生活費が支給されたりと、手厚いサポートがあり、とても感謝しています。
※2017年度派遣国(17カ国)
インドネシア、エジプト、カンボジア、サモア、ジンバブエ、スリランカ、タイ、トリニダード・トバゴ、バルバドス、東ティモール、フィジー、フィリピン、ベトナム、マラウイ、ミャンマー、モザンビーク、ラオス
3.仕事内容/何をしているのか
仕事内容はもちろんどの国のどのプロジェクトに関わるかで変わりますが、ほとんどの派遣生が広報、イベント企画・運営、ウェブ管理が主な業務です。
私は完全にプロジェクト内容で派遣先を決めましたが、中には国で選ぶ人もいて、それも面白いと思います。イメージしやすいように簡単に私の仕事内容をお話します。
私はUNDP ThailandのSocial Innovationという部署で働いていて、チームはThailand Social Innovation Platformというプラットフォームを運営しています。広く言うと官民産学を繋いでもっとセクター同士で協力し合いながらイノベーティブなことをしていこうとしています。
その中で、私が主に関わっているのはAPYE(Asia Pacific Youth Exchange)とYouth CoLabというプロジェクトです。
2つの内容は少しずつ違いますが、APYEはアジア太平洋、Youth CoLabはタイ国内の若者世代のSocial Entrepreneurshipを促進するために企業、起業家、専門家、政府、大学などとパートナーシップを組み、SDGsを取り入れた社会起業に関心のある若者のビジネスアイディアを形にしていくプロジェクトです。
Youth CoLabはタイ語でのコミュニケーションが必須のものもあり、その場合はやることが限られてきますが、基本的にはイベント・ワークショップの企画・運営、パートナーとの連絡、メディアへのプレスリリースをしています。
また、APYEは開催2回目にして、前回応募者が世界75カ国から3000人を超えたプログラムなのですが、過去応募者に日本人が一人もいなかったことを知り、個人的な野望として日本人参加者を獲得したいと、現在奮闘中です。
これを読んでくださっている方で興味のある方は是非ともご応募ください!全力でお勧めします。
仕事は、関心のあるソーシャルビジネスのプロジェクトに関われていること、この分野に関心のある若者、企業、社会起業家の方々とお会いできることが何より楽しいです。
4. メリット
学部生という早い時期に国連で仕事ができる
このプログラムの最大のメリットは間違いなく、学部生でありながら国連機関で働けることだと思います。
学部生であるため、やれること(できること)は微力であると感じることはありますが、中に入って国連職員の方がどのような仕事をしているのか、その中で自分はどのようなことに興味があって、将来このようなキャリアを歩みたいのか、どの立場で関わりたいのかなどを考える要素となります。
ネットワーク
国連でのネットワークもとても貴重な経験になっています。私もランチの時間を使って幅広い分野の方々とお話しさせて頂いており、ネットワークが広がっていくのがとても楽しみです。
どんな仕事をしているのか、どのようなバックグランドなのかを伺ったり、仕事で困った時のアドバイスを頂いたりととても勉強になります。
情報・機会へのアクセス
情報や機会へのアクセスが膨大にあります。私がいるバンコクは国連で世界に5箇所あるRegional Commissionの1つESCAPや、各国際機関のRegional Hubのがあるため、大きな国際会議が毎週のように開かれていて、自由に参加できます。
先週はアジア太平洋から集まる起業家のパネルディスカッションに参加しました。
パネルディスカッションが面白かったのはもちろんのこと、会議前にはパネラーの一人、外資コンサルに長年勤められた後にソーシャルビジネス起業をされたインド人の方とお話しすることができ、とても刺激的でした。
また、これは場合によると思いますが、希望すれば国連外でも自分の関心のある機会に行かせてくれるとても懐の大きい組織です。
ちょうど今月下旬、UNDP共催のシンガポールで3日間行われる大きなビジネスフォーラムがあり、自分のプロジェクトと関連したため、これは是非行きたい!と思ったのですが、あまりにも参加費が高かったため諦めつつ、駄目元でUNDPのトップに連れて行ってもらえないか伺ってみたところ、無料でチケットを頂けることになりました(※大学の了承済み)。
しかも航空券、ホテルもカバーしてくれるという待遇。。
入ったばかりの私にこのような機会を与えてくださったことが本当に嬉しくて、とても有難く思います。実りあるものになるよう、この機会をフル活用して勉強してきたいと思います。
このように、意思表示をすればチャンスをくれるという組織風土があり、もっと頑張ろうと思わせてくれます。
※UNYVは基本的に仕事関連以外の理由での海外渡航が禁じられており、この件についても大学の了承済みです。
5.別の手段
UNYVは今の所提携校が9大学のみですが、実は別の方法でも学部生で国連機関で働ける方法があると知りました。
たまたま関西の大学に通う知り合いが同じUNDP のRegional Officeで働いていて、彼女は「国連フォーラム」のメーリングリストで流れていたインターンの募集に応募し、見事合格してインターンとして働いています。
また、各国から来ている学部生のインターン生も各機関のウェブサイトで募集していたものにアプライしたと言っていました。
今の所、学部生で働けるのはこの二つくらいかと思います。なので、自分の大学が9協定大学に入っていない!という方もこの手段で探してみるのはいかがでしょうか。
6. 最後に
長くなりましたが、少しでもこのプログラムの魅力が伝わっていれば嬉しいです。
自分自身とても貴重な経験をさせてもらっていると実感しているので、より多くの方に知っていただき、選択肢の一つとして考える機会となればと思っています。
正直、自分が今まで経験してきた長期留学や他の海外プログラム以上に、思い通りに行かなかったり、期待外れなことがあったり、苦労することもありますが、それらも含めて学びと捉えて前向きに考えていこうと思います。
今は9大学のみのプログラムですが、自分たちの成果がより多くの大学との提携につながると信じてこれからも頑張っていきます。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
何か質問等あればお気軽にご連絡ください!
Facebook: Meina Takayasu
追記:
帰り道歩いていたらあひるが横を走っていました。私も頑張ろうと思いました。
〜おわり〜